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会社の未来は新入社員に聴け?

  「それはあとで女の子に頼んでやってもらえばいいよ。」
これは、今からちょうど40年前、私が信託銀行に入社し、社会人1年生として働いていたときにたまに耳にする会話だった。
「女の子」とは女子社員のことであり、「それ」とは比較的単純な作業である場合が多かった。
私の同期の男性どおしでも同じような会話が交わされていたが、私はいつも違和感を覚えた。
会社に入ってから、不思議なことがたくさんあった。
どうして男女で仕事、役割、勤務時間、処遇、服装が違うのか?
どうして仕事をしないおじさんがたくさん給料をもらうのか?
どうして仕事以外の生きがいを持つことは奨励されないのか?
どうして当たり前のように毎日仕事帰りに上司や先輩と飲みに行かなきゃいけないのか?
どうしてサラリーマンになったら麻雀、カラオケ、ゴルフをやらなきゃいけないのか?
どうして日曜日なのに会社の人と野球をやらなきゃいけないのか?
どうして仕事が終わっているのにみんな会社に残っているんだろう?
どうして夏の暑い季節もネクタイ、スーツ、革靴でないといけないのか?
こんなにたくさんあったのは、私自身が「まじめて前向きな新人」ではなかったからであろう。
第2次オイルショックのあおりで、就職先第一希望であった某楽器メーカーが採用中止となり、4年生の10月の「会社訪問解禁」と同時にいくつか回った先のうちのひとつが、たまたまその信託銀行であったという経緯も大きく影響していた。
しかし、40年後の現在において支配する価値観は大きく変わり、男女平等、残業削減などは法規制にまで及んでいる。
また、今年の話題としては、メガバンクの一部でもジーパン出社が奨励されるようになった。
「仕事以外に趣味を持つことはいいことだ」という考え方はかなり前から市民権を得たし、会社帰りに雀荘に行く話はほとんど聞かなくなった。
ということは、新入社員が「変だ」「おかしい」と感じることの中には、未来を予告する情報も多く含まれている可能性があると考える。
時代を先取りしたければ、新入社員たちが既存の価値観に染まりきる前に、彼らからヒントをもらうのもいいのではないだろうか。

 

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