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テレワークの次の課題

ブログをご無沙汰していました。

言い訳はいくつかあるのですが、なんといっても緊急事態宣言のもと、オフィスワークで何が起き、今後どうなるのかについての頭の整理に時間を要していたのが一番の理由です。

みなさまも、公私にわたる急激な変化に戸惑いながらご苦労されていることと思います。

 

先日、私の友人とオンラインでテレワーク関連の情報交換をしました。

彼は金融機関の本部の仕事をしており、現在は緊急事態宣言に伴いテレワーク体制となっています。

意見が一致したのは、「テレワーク(在宅勤務)をやれば、とにかく自分ひとりで考えて結論を出さなければいけない場面が増える。これは中期的にはとてもいい試練となるはず。」といういうことです。

また、「あまり意味のないミーティングをやらなくなる」ということも、時間の使い方が効率的になることに加え、意思決定のプロセスを明確にするというメリットにもつながるという話も出ました。

「とりあえず集まって話をする」とか、「とにかく行って話して来よう」という習慣が日本の会社では珍しくない光景でした。

私はムダな会合や訪問は極力避けてきたつもれですが、これまでを振り返るとやはりこのような習慣に従っていた面もずいぶんあったと感じます。

以前に、日本の会社が欧州のある会社に面談をメールで申し入れたところ、「その用件ならメールだけで十分、訪問不要」と断られたという話を聴いたことがあります。

日本人が好む「顔合わせ」「ご無沙汰しているのでご挨拶」をやらないからこそ、彼らは早くから残業をしない働き方を知っていたということでしょう。

この観点からは、日本のビジネス界も今回の過酷な体験を無駄にせず、意思決定やコミュニケーションの方法を大胆に効率化するスタートラインに立ったと考えるべきでしょう。

 

しかし、その友人との会話には一つの「オチ」がありました。

それは旅行です。彼は旅行好きで年2回の海外への旅を満喫していますが、さすがにこのコロナウィルス問題で当面は控えざるをえないわけです。

私もこれまで40回にわたる米国旅行を楽しんできただけに、彼の辛さはよく分かります。

今、会議や研修、さらには飲み会もオンラインで代替が急速に進んでいますが、旅行だけは実際に自分がそこの場所に行かないと楽しめない、ということです。

今後は「オンラインツーリズム」のような試みや提案が今後出てくると予想されますが、これで代替はできないと感じます。

そして、話をビジネスに戻すと、このことは「三現主義」の限界に突き当たります。

三現主義とは「現場」「現物」「現人」で、何か問題が起きたら、その現場へ行き、扱われてる現物を見て、当事者からの生の声を聴くことによってはじめて実態が正確に理解できるというものです。

これも、オンラインによる映像で代替できる部分もあるでしょうが、大きな落とし穴があると危惧します。

その理由は、オンラインで見える映像はそのカメラを操作している人の判断で視野が限定されるからです。

実際に自分が現場にいれば、ちょっと目に入った気になる光景や、機器類、書類などにスポットを当て、そこから重要なヒントを得ることがあります。

通り一遍の報告や伝聞では決して得られない真実を探り当てるためには、五感を研ぎ澄まして「三現」に触れる必要があります。

 

今後の仕事の進め方の中で、オンラインと「三現」をどのように使い分け、組み合わせていくかがひとつの重要なポイントと感じた次第です。

 

#テレワーク #在宅勤務 #三現主義