7月15日に東京大学工学部の会場で開催された「リスクセンスフォーラム」に参加しました。
このイベントはNPOリスクセンス研究会が活動成果を共有することを目的に開催するものです。
リスクセンス研究会は事故、トラブル、不祥事の根本原因は組織の状態にあり、未然防止のためには組織の状態を診断して改善する必要がある、という考え方に立って活動を進めています。
私も2012年から8年間にわたりお世話になり、そこで学んだ組織の健全性の重要性については現在も私の活動テーマとなっています。
フォーラム概要
今回は時間の都合で途中からの参加となりましたが、、2019年に私が提案した、三菱UFJ信託銀行奨学財団からの助成に基づくプロジェクトの報告を聴くことを主な目的でした。
この活動は、金融機関が融資をする際、対象となる企業等の経営状況を審査する中で、事故や不祥事に関するリスクを評価するために、同研究会が開発した組織診断を活用し、またその評価に使う集計システムを高度化するというものです。
私がこの研究会を離れて約3年が経ちますが、今回のフォーラムを通じて活動の進化をいくつか実感することができました。
その一つがリスクマップ情報システムの実用化です。これはリスクを損害金額と発生頻度で評価する一般的な手法と、この研究会が提唱する組織診断11項目を組み合わせた評価システムの実用化です。
また、電気工事会社社長経験者の報告の中で、「組織不祥事を防ぐには経営陣の教育が必要」と断言する場面は印象的でした。
すべてのマネジメントの土台は?
最近、「心理的安全性」というキーワードを耳にする機会が増えました。また、働き方改革以降、「(従業員)エンゲージメント」の重要性も指摘されています。そしてそれらを可能とするための研修やセミナーの案内が日々メルマガ等で送られてきます。
しかし、これらの個々のマネジメント手法だけでは効果や定着の面で限界があります。関連するマネジメント手法を体系的に組み立て、マネジメントシステムとして実践することが求められます。
例えば、仕事が仕事が忙しくてさばききれないため、やむなく書類を自宅に持ち帰り。後日その一部が見当たらずに大問題に・・・このようなことを防ぐ最も効果的な対策はルールの厳格化でもなければコンプライアンス研修でもなく、困ったことがあればすぐに相談できる組織、チームの状態です。
そして、それらは経営トップを先頭に作られた組織風土、組織文化が土台となっているのです。
個人の不祥事は日々の検証や上司のチェック等で予防することが可能です。
業務上のトラブルは、日々の業務の中で起きる不具合を予兆として改善すれば抑制することができます。
最後に残るのが、会社ぐるみやトップの暴走、黙認による組織不祥事です。
リスクセンスフォーラムの情報はこちら
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